三〇代が読んだ「わだつみ」
(築地書館 1993) 1700円+税
デビュー作にして長らく最高傑作だった。30代の、もはや「おじさん」の声もかかった著者が、『きけ わだつみのこえ』を繰り返し読み、多くは20代で戦陣に散っていった若者たちの内面
の声を聴き、「あの戦争」の本質を考える。
新聞などで非常に大きく取り上げられ、短い間に4刷りまで行く。
右翼左翼に関わりなく好評だったのがこの本の特徴。反戦の集会にも呼ばれたし、靖国神社で行う戦友会などにも招ばれ、「よく、私たちの時代を、精神を書いてくれた」「そうだったんだ、君の書いたとおりだったんだよ」などと言われ恐縮するも、大きな仕事を成し遂げたらしいことに安堵する。文庫化を何度も断って、築地書館で初版時の形のまま存続。
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